いつでも何やら色々と考えてる。それでもアイデアの良い発想法に出会えてい ない気がしないでもない。未だ出会えていないだけなのか、私が愚鈍すぎるの か。でも、手塚氏も言っている。やはり選ぶ手間は省けない。
弘法筆を選ばずとも、ペンと紙とはよく選べ。
手塚治虫「ぼくは漫画家」漫画家十訓
■アイデアの出し方
基本的には情報収集から始まると思っている。何もないところから、アイデア をひねり出せるほど賢くないので、諸々頭の中にちょっとでも入るような工夫 をする。朝何を食べたのかさえ定かに答えられない貧弱なメモリだが、下手な 鉄砲も数撃ちゃあ、ということで、最近はRSS+Evernote。記事の見出しを見 るだけでも、何かの弾みで思い出せる場所まで記憶が散歩してくれる。
次は、批判精神。体系的に勉強した訳ではないけれど、基本的には「6つの帽 子」的なアプローチだと思う。下記の6つの帽子をかぶって、物事を見る:
- 白い帽子(中立的視点:事実やデータ)
- 赤い帽子(感情的視点)
- 黒い帽子(批判的・消極的視点)
- 黄色い帽子(希望的・積極的視点)
- 緑の帽子(創造的視点)
- 青い帽子(冷静的・思考プロセス的視点)
常に6つの視点でモノゴトを見つめるのも厳しいので、今は「赤」、次は「黒」 という具合に順繰り見つめる。更に進めば、下記のように、発明を体系的に生 み出せるのかもしれない(本まで買ったけれど、未だ身につかず)。
TRIZ/TIPS
http://www.iteq.co.jp/TRIZ.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/TRIZ
■情報整理
次は、基本「KJ法」。考えを絞り出し、グルーピング化して、言語化する。基 本的には、一人100本ノックをしなければ、と思ってしまう。100本絞り出す事 は最近はしないけれど、見逃した視点がないかは、整理しながら気をつける。
KJ法 - Wikipedia
ツールは、だいぶmindmap系に移って来た。最近使っているのは、これ一本。
App Store - SimpleMind+ (mind mapping)
他と何が違うかは、全部を見た訳ではないので、直感に近いかもしれないけれ ど、ポイントとしては下記:
- 見た目:基本はこのUI
- 操作感:とにかく楽(入力、再整理=移動や離縁や再婚的な操作)
- 連携性:pdf/mail/txt/pngなどの形で出力+Mac(PC)に転送
- → Mac/PC版もあります: SimpleMind Desktop for Mac OSX | simplemind
使っているのは、iPod touchとMacBook。でも9割はtouchで操作している。とにかく何処ででもアイデア絞り出しが、再利用可能な形で実現できるのが嬉し い。会議やイベントのメモも、基本的にはこれで済ます。
但し、メモ用として使う時は、お話のテーマによって使うかどうかを決めてい る。スマホ(touch)なので、基本的にブラインドタッチは不可能。なので、 使われる単語への親和性が鍵。よく知っている単語が殆どで、それらの組み合 わせ方や再整理といったテーマの場合は、これでOK。
メモるのは、基本的には「単語」のみ。助詞とかは使わない。文書化しようと も思わない。ただただ単語を掴んでは、他の単語との関係性にのみ気を使う。 どれとどれが親子関係で、どれが兄弟で…、というイメージ。
だから単語自体が未知のものが多い場合には、変換でイライラして、話を聞き 逃してしまうので、紙とペン派。あと、スマホ系だとどうしても画面を見てる 時間が多くて、demoなどが主体の場合も、殴り書き手書きの方が効率が高い (私には)。ちなみにペンは下記。久々に最後まで使い切って、更に買い直し たペン。
Amazon.co.jp: 三菱鉛筆 ジェットストリーム 3色ボールペン 0.7mm【グリーン】SXE3-400-07: 文房具・オフィス用品
■半分清書モードの再整理
ここで大きくツールが分かれる:
- Adobe Illustrator
- Microsoft Powerpoint
▼1)Adobe Illustrator
より視覚的に、InfoGraphics的にしたい場合や、あまりに込み入っていて、図 として試行錯誤が必要な場合は、こっち。でも、必須なのが以下:
イラレで便利 for Adobe Illustrator - アドビ・イラストレーターのツール集
→ イラレで便利: テキストでちょっと便利
この中の「テキストばらし」が必須。文字列を、改行コードで切り離してくれ るもの。流れ的には、SimpleMind+で下記貯めたアイデアを、テキストで持ち 込んで、これをバラバラにして、再整理。Illustratorのキャンバスを全部使 って、再整理します。広いお部屋で片付けしている見たいで壮快。無論CS6で も動いています。
▼2)Microsoft Powerpoint(使っているのは2003ですが…)
もう一つが、パワポ。以前は大分嫌いなソフトだったけれど、最近は手軽さが 気に入っている。気に入った理由は下記:
- A)テンプレートを正しく作れば、中々ちゃんとしている
- defaultが異常に残念なのだが(売る気ないとしか思えない)、ちゃんとフォーマットを作ってやると、後作業が凄く楽。
- B)印刷系が楽:特にWindows環境では、図の拡大とか考えなくて良いので楽
- とにかくペタペタと図をコピペすれば良くて、これも快適。 特にブラウザの画面キャプチャが多発する資料は、他で作る気しない
- C)整理:左右揃えボタンなどをキャンバス下に配置したので超快適
- 参考)オートシェイプを揃える方法 - パワーポイントの使い方
- D)テキストの流し込みが可能
- 参考)アウトラインの作成 - パワーポイントの使い方.com
TABのない10行のtxtファイルからは、10pのパワポができます。これの何が嬉しいかというと、TABでインデントされたテキストが、2段落目としてインポートされます。勿論TABが2つだと3段落目。ページタイトルとそこに書くべき内容をTAB付きで書けば骨子完成。- E)目次が生成可能
- 参考)目次スライドの作り方:PowerPoint パワーポイントの使い方
※正しくテンプレートを作る必要があります
要は、テキストさえTAB付きで出来ていれば、サクッと「形を整えられる」。 テキストを見ながら、自分がプレゼンしている姿は想像し難いので、プレゼン 画面に一回変換しなければならない、パワポはそこ辺りが楽。
ちなみに、テキストの流し込みを検索すると、ワードから云々というのがやた ら増えてます(昔はあまりなかった気がする)。私にはワードでアウトライン 考えられる人がよく分からない。いらぬおせっかいが多すぎて、全然集中でき ないため。ちなみに愛用のテキストエディタは、これ。社会人になった時から、 これ。
ViVi web site
■膨らませながら、再々整理
で、骨子ができ、更にイラレであろうとパワポであろうと、「画面」という形 まで整ったので、あとは肉付け。自作の絵も使うけれど、Web屋なので、やは り画面キャプチャの方が多い。ブラウザは、そのためにある気がする程。で、 こちらも諸々機能拡張をする。あ、今はGoogle Chromeがメイン。
- A)画面キャプチャを楽に入手する
- Awesome Screenshot - Capture, Annotate and Share
色々と試した結果、今はこれに落ち着いている。小さいエリアの切り取りに難があったり諸々あるけれど、最後のファイルに落とす寸前で右クリックでクリップボードにコピーできる(=このままパワポに貼れる)。
Macでは、スクロールで見えないとこまで撮らないならこっち: Apple - Downloads - Dashboard Widgets - Screenshot Plus- B)サイトのtitle/urlを楽に入手する
- Chrome ウェブストア - Copy Title+URL to clipboard
Google短縮URLが機能しなくなった気がするのだが、右クリック系よりも、ボタンの方が好きなので、こちらを愛用。- C)HTML/CSS/JSコードを楽に見る
- Chrome Web Store - View Selection Source
ちょっとしたものなら、これで対応。- D)サイズを測る
- Chrome Web Store - ruul. Screen ruler
実用性より使い心地的に。- E)画面サイズを楽に統一する
- Chrome Web Store - Resolution Test
考えてみれば、AddOnを育てすぎて、Firefoxからは抜け忍できないと思ってい たのに、申し訳ない程にChromeに移ってしまった。それはともかく、これで画 面キャプチャーから出典の記述や、サイズも含めた統一感支援もできたことに なる。あとは、どの画面を撮るか。
そこで役立つのは、再びRSS+Evernote。過去に気になったものが検索対象に なるので、気に入った情報に再会する可能性が高まる。
■貯める+再再々チェック
で、Dropbox。作成した資料のほとんどは、基本PDF化して蓄積。お客さんとの 兼ね合いで、全てをDropboxに置けるわけではないけれど、自習用の自作資料 は、どこかに置いて、そこからiBooksで開いて、指で拡大しつつ再チェック。 これも、touchで。
Dropbox へのご招待です。 - Dropbox
結局、一巡して来た感じがする。touchという小さなデバイス上で、大切な情 報が回っている。そして、使う側は無理していない。トイレですら出来ること が、情報閲覧だけでなく、書く事も、整理する事も、小さなアイデアを育て上 げる事すらにも広がって行く。
「ソーシャル」や「クラウド」という言葉の裏で、様々なコトガラが、目の前 ではなく、「あちらがわ」で処理できるようになり、回るようにサイクルが成 立しはじめた。
ツールが発達した程に、私は賢くなったのだろうか。筆すら選ばなかった、弘 法大師は、この便利さの洪水を前に、何を思うのだろう。より良くを求めすぎ て、何かを失っているのかも。怖い程に便利。
以上。/mitsui
- ・DropboxからPublicが消える、かなりの痛手。
- Dropboxが既定Publicフォルダを廃止。8月以降の新規アカウントから。共有リンク機能に移行 - Engadget Japanese
- ・違法ダウンロード法案!
- リッピングが違法になる?、う~む困った。以前書いたように私はちょくちょくリッピングしている。理由は単純。MacBookの中でDVDが回転するのが嫌だから。HDD貧乏なので数はないけれど、旅行前とか2時間の映画を20分程かけてもリッピングして、DVDではなくて、HDDで持って行ったりする。移動中に見る時の節電にもなるし、結構快適。完全に私物複製なのだが。幾つかのメディアが反対しろと書いていたが、個人で何が出来るのか分からない、さっぱり。う~む、困った。