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達人伝 ~9万里を風に乗り~:久々の蒼天航路の香り

久々の蒼天航路の香り。腕衰えず、趣増す。本当に「人」が好きなんだろうなぁ。王欣太の待望の最新作。

舞台は、荘子のちょっと後の時代、春秋戦国時代。主人公は、荘子の孫、荘丹。対する敵は、秦。圧倒的な劣勢の中から物語が始る。

卓越した描画力と、豊穣な言葉の群れ。言葉によって、イメージが頭に…というより瞼の裏に現れる。それが語られた現場の情景と表情が、更にリアルに感じさせてくれる。先鋭化したゴンタ節、健在どころかますます研ぎすまされている。1&2巻を同時に読まないと、逆に辛くなる。3巻は2013/11/28!

表紙の絵柄は「ファイアキング」っぽいけれど、中身は全盛期の蒼天航路。REMEMBERを経て再起動という期待感。台詞もネタバレしたくなるほど、ゾクゾクする。今の諦め感一杯の時代にこそ、感化されたくなる言葉。読んでて熱が溜まって行く。新キャラクターがでる度に、蒼天航路の群雄とのマッチングを脳内で始めてしまうけれど、誰とも違うリアルな登場人物群。本当に「人」が好きだからこそ、こうやって描けるんだろう。

欣太先生、お帰りなさい。お待ちしてました!