「平成の大合併 夢はいずこへ」。私町村の合併の背景にあるもの、そしてその現状、そして未来。やはり、ここも余り明るくない。ニュース価値というのが、暗い未来ばかりというのも、息が詰まる。
妻の実家の村も合併をした。しかもややこしいことに、その隣は合併せず、その先の村は合併。住民がどう選ぶのか、何を選ぶのか。特に過疎の村々を合併して効率化した方がいいという「算数」は誰にでも分かるけれど、広々とした場所に点在する住民たちへの行政サービスという視点は、中々難しい。名前が変わってしまった故郷の話を聞く度に、なにかしら無理があるなと、素人でも分かる状況だったのを思い出す。
国谷さんの話を聞きながら、民意って難しいなと思いつつ、「国が7割負担で温泉できるんだよ、いい話じゃない」と言われればことさらに反対する気にはなれなかっただろうなと思う。しかも、早く申し込まなくちゃあ損しちゃうよという焦燥プレッシャー付き。多くの民意が、「知足」とは逆の方向に目を向けても不思議ではない。
番組では、国や自治体の先見性の方向に目が向いていたけれど、それらを補足するのがメディアや学者なんだろうと改めて思う。コトが切羽詰まってから、「こんなに愚かなんだよね」というのは、試合結果を知っているものがドヤ顔で説教垂れるようなものでもある。
じゃあどこで気づけたんだろうか。やはり警鐘は人口ピラミッドなんだろうな。日本で安心して子供をどんどん産んでいくという未来予想図を描いた時点で、かなり大きく本当の道から外れていった気がする。なぜ子供を生まないのか、産めないのか。それが国の価値に実は直結しているのだと思う。不安を感じるから、子供が増えないんだよね。その不安を感じさせる何かを見つめる力が大分足りていない。と、文句や嘆きだけでは解決しない。それでも専門に調べている人いるんだよね、と他力本願モードになるのを抑えられない。