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クロ現)イラク派遣 10年の真実

イラク派遣 10年の真実」。当時緊張してTV画面を見ていたのに、もう大昔の映像をみているような自分に驚く。情けない。

防衛大前学長の言葉が質問と食い違っていて苛立ちを覚える。自衛隊の活動そのものを否定する気なんて微塵もない。敢えて言えば、先日のフィリピンの支援部隊を見ていても、自衛隊への信頼が絶大なのは充分に伝わってきた。だからこそ、集団的自衛権の論理武装のために如何に憲法解釈を変えても、その下で働く自衛隊やその家族、そして国民は、耐え得るメンタルを持ちえるのかがポイント。国を守る…言葉は格好良くても、このまま突き進んで行って大丈夫なのか、という警鐘なのではないか、と問うたんだよ。

それにしても、官僚の考えることが余りに想定内なことに驚かされる。前学長曰く心の余裕を持てるほどのエキスパート化した隊員が28名/延べ1万人の割合で自殺を選んでいるという状況において、更にどの部隊も1割以上の隊員が心理的に不安定になっているというデータがあるにもかかわらず、「自殺とイラク派遣との因果関係は不明」。こうした分析をする方のお名前も一緒に公開すれば如何だろう。責任をとりたくない学校/教育委員会/諸々が、「いじめと自殺との間に因果関係があったとは…」とそっくりさん。

訓練を受けた者でさえ不安定になる状況。映画やドラマではない現実として、それが襲いかかってきた時に、この国の防衛前線現場の人達は正しく動けるのか。アラートをアラートとして感知する能力に欠けた指導者達が、まっとうな指揮が発動できるのか。守るべきものを見失わないで進めるのか。更に、自衛隊の平和利用に効果が見えるのだから、敢えて不得意分野で皆と一緒に殺しあわなくても、本当に独自路線で平和を近づけることが、実はできるのではないか。首相が急いでいる今、考えなくちゃならないことは山積みだ。